循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Sleep Disordered Breathing in Cardiovascular Disease(JCS 2010)
【ダイジェスト版】
肥満に対する減量,
生活習慣の是正
AHI≧40
上気道疾患あり
外科的治療を考慮コンプライアンス不良
CPAP 導入口腔内装置経過観察
自覚症状なし
AHI<40
5≦AHI<20
PSG
簡易モニター
AHI≧20
自覚症状あり
OSA が疑われる
8 OSAの治療(まとめ)
(表19,図7)
表19 閉塞性睡眠時無呼吸の治療(まとめ)
図7 保険診療を考慮したOSA治療アルゴリズム*(V-4参照)
*このアルゴリズムは保険制度に準拠したもので,本ガイドラインにおける医学的に妥当な診療指針とは必ずしも一致しない
クラスⅠ
◦肥満を伴うOSA患者の減量(エビデンスレベルA)
◦禁煙指導(エビデンスレベルB)
◦体位性OSAに対する体位療法(エビデンスレベルB)
◦甲状腺機能低下症や末端肥大症に合併する閉塞性睡眠
時無呼吸に対するホルモン補充法(エビデンスレベル
B)
◦AHI≧30で心血管イベントに対する一次予防目的とし
てのCPAP(エビデンスレベルB)
◦AHI≧15で自覚症状を有する場合,自覚症状改善目的
としてのCPAP(エビデンスレベルA)
◦AHI≧15で基礎疾患(高血圧,耐糖能異常,心不全,
虚血性心疾患,脳血管障害など)を有する場合の基礎
疾患進展抑制もしくは二次予防目的としてのCPAP(エ
ビデンスレベルB)
◦5≦AHI<15(軽症)のOSAおよび習慣性いびき症(非
肥満例)に対する口腔内装置(エビデンスレベルB)
◦5≦AHI<30の(軽~中等症)OSAでCPAP治療を拒
否あるいは継続できない非肥満例に対する口腔内装置
(エビデンスレベルB)
クラスⅡa
◦就寝前の飲酒の禁止(エビデンスレベルC)
◦体位性でないOSAに対する体位療法(エビデンスレベ
ルC)
◦アセタゾラミド(エビデンスレベルB)
◦15≦AHI<30で心血管イベントに対する一次予防目
的としてのCPAP(エビデンスレベルB)
◦5≦AHI<15で自覚症状を有する場合,自覚症状改善
目的としてのCPAP(エビデンスレベルA)
◦5≦AHI<30(軽~中等症)のOSAでCPAP治療を拒
否あるいは継続できない肥満例に対する口腔内装置
(エビデンスレベルC)
◦AHI≧30(重症)のOSAでCPAP治療を拒否あるいは
継続できない非肥満例対する口腔内装置(エビデンス
レベルC)
クラスⅡb
◦選択的セロトニン再取り込み阻害剤(フルオキセチン,
パロキセチン),三環系抗うつ剤(プロトリプチリン),
テオフィリン,女性ホルモン(エビデンスレベルB)
◦5≦AHI<15で,特に基礎疾患が存在せず,自覚症状
が乏しい場合のCPAP(エビデンスレベルB)
◦AHI≧30(重症)OSAでCPAP治療を拒否あるいは
継続できない肥満例対する口腔内装置(エビデンスレ
ベルC)
クラスⅢ
◦中枢性睡眠時無呼吸の症例に対する口腔内装置:レベ
ルC
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