循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Sleep Disordered Breathing in Cardiovascular Disease(JCS 2010)
【ダイジェスト版】
3 我が国の保険診療上の治療適応基準
口腔内装置(oral appliance:OA)は,OSASの診断がつくAHI ≧ 5から可能である.医科でOSASと確定診断され,医科から歯科へ紹介の上,歯科がOAを作製する.
持続陽圧呼吸(continuous positive airway pressure:CPAP)は,症状などがあり,PSGで検査し,AHI ≧ 20で使用可能である.簡易無呼吸検査では,AHI ≧ 40で適応される(ただし,AHI 20というカットオフ値の日本人でのエビデンスはない).
ASVは,睡眠時無呼吸症候群患者ではない心不全の患者で,長期にわたり持続的に人工呼吸に依存せざるをえない,安定した状態の患者に対して使用が適当と医師が認めた患者に対して使用可能(ここでいう睡眠時無呼吸症候群とは恐らくOSASを想定していると考えられ,OSASの主体ではない心不全患者とは,CSRが主体で,換気量や呼吸数の変化する補助換気の必要な患者ということになる).
HOTは,慢性心不全患者で,医師によりNYHAⅢ度以上の重症と認められ,PSG上でAHI ≧ 20のCSRが確認された患者が適応となる.