循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Sleep Disordered Breathing in Cardiovascular Disease(JCS 2010)
【ダイジェスト版】
胸部大動脈伸展 肺血管床 伸展 肺動脈圧 上昇 左室充満圧 上昇 肺血管収縮 副交感神経 高二酸化炭素 血症 低酸素 血症 肺血管床内 血液貯留 心─静 還流 循環平衡 心室 相互連関 心筋虚血 不整脈 心不全抑制 亢進 急性効果 急性・慢性 効果 抑制 中心血液量増大 右室流入 増大 左室流入 障害
心拍出量
変動
体血管
収縮

O2 化学反射
(頸動脈洞神経)
直接作用
動脈
圧反射
ANP
低圧系
圧反射
圧反射
リセッティング
副腎髄質
交感神経
緊張
高血圧
左室肥大
左室後負荷
増大
胸部大動脈内
血液貯留
覚醒時の心拍数増加
無呼吸時の心拍数減少
胸腔
内圧低下
無呼吸
直後の覚醒
増幅
閉塞性睡眠時無呼吸
4 交感神経活性と神経体液性因子への影響
 OSAを有する患者において,無呼吸時のみならず昼の覚醒時においても交感神経系が亢進していることが,就寝中の尿中ノルエピネフリン濃度の上昇や筋交感神経活動の直接記録により確かめられている.交感神経活動の亢進機序には無呼吸に伴う,(1)低酸素血症,(2)高二酸化炭素血症,(3)肺伸展反射の消失,および(4)途中覚醒がある.交感神経活動の亢進はOSAにおける一過性および持続性の血圧上昇にかかわっている(図3).
図3 閉塞性睡眠時無呼吸の病態生理
 閉塞性睡眠時無呼吸では,(1)気道閉塞下の呼吸努力に伴う胸腔内圧の低下,(2)低酸素血症,そして(3)覚醒反応が循
環動態を大きく変動させ,自律神経系と各種反射調節系を巻き込んで,一過性および持続性の血圧上昇にかかわっている.
ANP:心房性利尿ペプチド,点線は降圧機序を示す.ANP:心房性利尿ペプチド
 
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