循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Sleep Disordered Breathing in Cardiovascular Disease(JCS 2010)
【ダイジェスト版】
1)不眠症 2)睡眠呼吸障害
◦中枢性睡眠時無呼吸症候群
◦閉塞性睡眠時無呼吸症候群
◦睡眠時低換気(低酸素血症)症候群
◦内科疾患による睡眠時低換気(低酸素血症)症候群
◦その他の睡眠呼吸障害
3)睡眠呼吸障害によらない過眠症 ◦ナルコレプシー
◦睡眠呼吸障害またはナルコレプシーによらない過眠症
◦その他の過眠症 4)概日リズム睡眠障害
◦原発性概日リズム睡眠障害
◦行動により引き起こされた概日リズム睡眠障害
◦その他の概日リズム睡眠障害
5)睡眠時随伴症
◦ノンレム睡眠からの覚醒時睡眠随伴症
◦ 通常レム睡眠と関連する睡眠時随伴症(レム睡眠行動障害) ◦その他の睡眠時随伴症
6)睡眠時運動障害(むずむず脚症候群) 7)その他の睡眠障害 8)恐らく正常変異および未解決の間題と考えられる孤発症状
1 睡眠障害とは
睡眠障害とは日中の生活に支障を来たす,何らかの睡眠および覚醒の障害である.睡眠障害,覚醒障害,睡眠覚醒リズム障害に対して,従来は主に精神科が対応してきたが,睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome:SAS)などの睡眠呼吸障害は耳鼻咽喉科,呼吸器科,あるいは循環器科が中心となって診療すべき領域である.
2005年のAASMの睡眠障害国際分類第2版(InternationalClassification of Sleep Disorders, 2nd version:ICSD-2)を表1に示す.ICSD-2 では,睡眠障害の病名および病状が96種類に分類されている.
表1 睡眠障害国際分類(ICSD-2)*の概要
*International C1assification of Sleep Disorders, 2nd ed.