循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Sleep Disordered Breathing in Cardiovascular Disease(JCS 2010)
【ダイジェスト版】
1 減量
(表13)
 肥満は,閉塞性睡眠時無呼吸(obstructive sleep apnea:OSA)の最も重要な危険因子であり,顔面形態に要因がある患者以外の多くの患者は肥満を伴っている.したがって,肥満を伴っているOSAS患者に対しては,減量は常に励行されるべき治療法である(クラスⅠ,レベルA).ただし,OSAを減量のみで治癒可能である例はほとんどなく,いったん減量しても再度体重が増えることも多く,また,いつ有効な減量が可能かは不明なので,OSAに対する減量は他の有効な治療法である持続気道陽圧(CPAP),口腔内装置,肥満手術などと並行して行われるべきである.OSAに対する肥満手術に関しては非無作為化,対照がない研究においてであるが,肥満手術は減量と同様にAHI の軽減をみている.したがって,肥満手術は病的な肥満患者に対してCPAPなどの非侵襲的な治療に付加して行われる余地が残る治療法である(Ⅱ a,レベルC).
表13 減量
クラスⅠ
◦肥満を伴うOSA患者の減量(エビデンスレベルA)
クラスⅡa
 なし
クラスⅡb
 なし
クラスⅢ
 なし
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