循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン
Guidelines for Diagnosis and Treatment of Sleep Disordered Breathing in Cardiovascular Disease(JCS 2010)
【ダイジェスト版】
クラスⅠ
◦ Type 2機器を用いてSDBのスクリーニング診断を行う
(エビデンスレベル A)
クラスⅡa
◦Type 3機器を用いてSDBのスクリーニング診断を行う
(エビデンスレベル C)
◦Type 4機器を用いてSDBのスクリーニング診断を行う
(エビデンスレベル C)
クラスⅡb
なし
クラスⅢ
なし
5 循環器領域におけるSDB診療のための簡易モニター使用の限界(留意点)
(表8)
●睡眠脳波は記録されていないため,睡眠の質(深さ)は判定できないこと.
●在宅や非監視での検査の場合,本当に寝ているかが保証されないこと.
●取り付けを患者自身がする場合は,記録状態が保証されないこと.
上記の点を十分考慮に入れて使用する.
検査のための機種は,PSGを行う前のスクリーニングで使用するのであれば,SpO2モニターかType 4 の検査機器でもよいかもしれない.しかし,ある程度の診断をつけたいときには,Type 3 の機種を使用し,鼻・口センサーは圧と温度の両方で,呼吸運動センサーは胸と腹の両方で行い,RIPを使用し,SpO2と心電図をつけうるものが好ましい(ただし,センサー数が増加すると患者自身では自宅で装着できなくなり,結局入院で検査技師がつける場合もある)
表8 循環器疾患のリスクとしてのSDBのスクリーニング診断のための検査
注)いずれのtypeの機器による検査においても,自動計測の結
果の数値だけを判断基準とせず,必ず実波形を確認した上で判
定すること.